はるの本棚

口下手な私の人生と推し本について。

【場面緘黙症】休み時間にされて嬉しかったサポート

こんにちは、はるのゆきです。

 

私は幼い頃から高校3年生まで、人前で声を出せない場面緘黙症でした。

大学進学をきっかけに場面緘黙症を克服し、今は普通に仕事をしながら暮らしています。

 

場面緘黙症については過去の記事にも書いているので、興味があればぜひご覧ください。

 

haruharu2021.hatenablog.com

 

 

 

さて今回は、小学校時代のお話です。

小学校6年間は、人前で声が出せない『場面緘黙症』に加えて、人の視線が怖くて身体を動かせない『緘動』の症状がとても強かった時代でした。

 

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場面緘黙症と休み時間

さて、みなさんに質問です!

学校生活の中で、“人と話をすること”が一番求められる場面って何だと思いますか?

 

登下校?

朝の会?

授業中?

休み時間?

 

もちろんどの場面でも、人と会話をすることは必要ですよね。一番を決めるのって難しい…。

しかし私にとって、話せなくて一番辛かったのは、休み時間でした。

 

授業中も、話さないといけない場面はたくさんあります。発表や国語の音読などなど。指名されて発言できずに固まってしまうと、緊張と罪悪感で発狂しそうになります。

しかしその辺りは、話さなくていいように配慮してくださる先生もいたので、全ての授業が苦痛、というわけではありませんでした。

授業は基本的に『静かに話を聞きましょう』がルールなので、場面緘黙症であっても浮かずに済むことも多いのです。

 

 

しかし休み時間はそうはいきません。

 

休み時間の教室。自然に仲が良い友達同士で集まり、外に遊びに行ったり教室でワイワイ話したり…各々が好きなことをして過ごしますよね。

 

「〇〇ちゃん遊ぼう」

「いいよ」

休み時間ほど、積極的なコミュニケーションが求められる場は他にありません。

 

そんなやり取りに参加できない私は、誘われるまで一人で席に座っていることしかできませんでした。

 

友達といるのが苦手なら、一人で本を読んだり静かに過ごせばいいじゃないか、と思いますよね。

ですがそれもまた出来ないのです。

 

対人緊張の強さから、“自分が何かしている所を人に見られることが怖い”という感覚が常にあったからです。視線恐怖というものでしょうか。

 

何をするにしても、人の視線が自分に向いている気がして、怖くて仕方ありませんでした。

『ゆきちゃんが立ち上がった!』

『動き出した!変な歩き方〜!笑』

『あっち向いて何してるの?』

『咳してる!声が聞こえるかも!』

 

本当に些細な自分の行動1つ1つが、人に見られているのではないか。悪く思われているのではないか。人に迷惑をかけているのではないか

 

頭の中は常にそんな不安でいっぱいで、ちょっと動くだけでもとんでもない努力が必要でした。

 

休み時間はとにかく微動だにせず、気配を消して静かに座っている。これが私の使命でした。頭の中に湧いてくる不安との戦いに必死で、周りを見る余裕もなく、日が過ぎることだけを願っていました。

 

 

 

学校にいるだけで努力している

 

場面緘黙症を知らない方からすれば、場面緘黙症の人は話すことから逃げているだけ、甘えているだけ、と思われてしまうかもしれません。

でもそうではなく、私たちは私たちなりに、必死に世界に挑んでいるんだよ、ということを知っていて欲しいです。

 

学校に行くことだけでも、ものすごく努力しています。1日学校にいることが、私たちの精一杯なのです。それだけは、どうか理解していただけたらと思います。

 

 

休み時間が辛い理由

 

場面緘黙症にとって休み時間はとても辛いものだと先ほど書きました。ここではその理由を、もう少し具体的に挙げてみようと思います。

 

①自分から友達に「遊ぼう」が言えないので、誘われるまで席で固まっている


②誘われても、遊びの中で声が出せない(声を出す遊びって多いんです…だるまさんがころんだ、とかごっこ遊びとか)


③話さなくてもできるスポーツも、緘動によりほとんど動けない→チーム戦だと「ゆきちゃんは足手纏いだ」と結局誘われなくなる

 

④「何で話さないの?」「あ、って言って」攻撃が始まる

 


人と話したい気持ちはあるのに伝えられない、遊びに参加できない。これって本当にもどかしいです。

特に、声を出さないと出来ない遊びは、自分がその場にいることで空気が悪くなる気がして本当に苦痛でした…

 

 

嬉しかったサポート

そんな休み時間に、クラスメイトにされて嬉しかったサポートがあります。 

 

例えば、

☆遊びに代弁者をつけてくれること(だるまさんがころんだで、代わりに声を出してくれる友達がついてくれる、など)


☆トランプなど話さなくてもできる遊びに誘ってもらう


☆スポーツは、あまり動かなくても参加できるポジションにつけてもらう
ドッジボールの外野など)


☆自分からは動けないので、とにかく休み時間は「ゆきちゃん遊ぼう」と声をかけてくれるクラスメイトがいる

 

などなど。
遊びに誘われたら、「何で話さないの」攻撃が始まるかもしれない…という不安は常にありました。それでも、やっぱり誘われたら嬉しいです。

フリーに動くのは苦手なので「ゆきちゃんは、これをしてね」と具体的な役割を振ってもらえると、すごく動きやすくて嬉しかったです。

 

言葉でのコミュニケーションは難しくても、自分から動くことが苦手でも、優しく関わってくれるクラスメイトの存在が心の支えになりました。

 

 

辛かった学校生活、辛かった休み時間。

その中で支えてくれたクラスメイトたち。そんな彼女達のおかげで、私は学生時代を過ごし抜くことができました。

 

 

さいごに

今回は、場面緘黙症の休み時間についてまとめてみました。

この記事を御覧の緘黙症経験者や当事者の皆さま。学校生活で嬉しかったサポートなどありますか?

いろんな方の経験談を聞いてみたいです(^_^)

 

 

はるのゆき