はるの本棚

口下手な私の人生と推し本について。

【読書】畜犬談チャレンジやってみませんか?

太宰治さんの『畜犬談』を読みました。

ネタバレを含みます。

 

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畜犬談チャレンジ

私は、イケメンについては自信がある。いつの日か、かならず誑かされるであろうという自信である。私は、きっと罠にはまるに違いない。自信があるのである。

よくぞ、きょうまで誑かされもせず無事に過ごしてきたものだと不思議な気さえしているのである。

諸君、イケメンは危険である。そのクールな面構えは、うら若い乙女の視線を釘付けにし、心を掻き乱す。溢れ出る眩いオーラは、闇夜にぽつんと光る蛍光灯と相違ない。我こそはと集まりその恩恵に預かる虫たちを虜にし、離さないのである。

イケメンの目を見たものは皆一様に恋に落ちると聞く。その透き通る美しい瞳に囚われたら最後、文字通り人生の崩落が始まるというではないか。学問も仕事も疎かとなり、食欲が減退し、睡眠の質が低下する。ふとした時にその瞳を思い出し、羞恥と快楽に脳内を支配され、生活が破綻する。

しかしその原因となった本人は、相手を陥れたことにすら気が付かず、のうのうと日々を送っているのだ。貴女なんぞには興味がないと態度で示しながら、時折柔和な笑みと甘い声色で、心を掻き乱してくる。その曖昧な行動が、我々の手綱を握って離さないのだ。一度捉えられたら最後、逃げ出す術はない。

おお恐ろしい!気をつけなければならぬ。ただの同僚だからといって、誑かされぬということはない。あの圧倒的顔面がある以上、かならず誑かす。けっして誑かされないということは、科学的に証明できるはずはないのである。

 

今のは何?

くだらない文章をここまで読んでくださって、ありがとうございます(恥)

今書いたのは、畜犬談の冒頭で、主人公が大嫌いな犬について滔々と語る部分のパロディです。

主人公は犬への憎悪を最高潮に募らせており、その理由をこれでもかと読者に語りかけてくるのです。

 

その語りがあまりに面白すぎて、私も畜犬談風に文章を書いてみたい!と思い立ちました。

そう、名付けて『畜犬談チャレンジ

そして書いてみました。

しかし…難しい…

私にはこれが限界です。。

 

※皆さんもやってみませんか?畜犬談チャレンジ

自分の苦手なもの、嫌いなものを一つ挙げ、それについて執拗に文を綴るのです。なかなか面白いですし、太宰の文才が身に染みますよ。

太宰治の原文は、青空文庫で無料で読むことができます。

 

 

ツンデレの権化

一つの物事について、ここまで執拗に、微に細にわたって語ることができるって、太宰治は本当にすごい。

しつこいのに面白くってページを捲る手が止まらない。

 

前半は犬への憎悪をこれでもかと書き綴っているのに、読み進めるにつれて変化する主人公の感情。

奥さんとの会話の中で見える心境の変化に、爆笑してしまいます。

 

いやもう犬のこと大好きやん!!!

素直になれや!!!

ツンデレの権化ですね。ツンデレについて知りたい方はぜひこの作品をお読みください

 

ほんとに笑えるので、太宰治初心者の方にはぜひぜひ読んで頂きたい作品です。

犬が好きな方には、少し刺激が強いかもしれません。

 

あ、ちなみに私、イケメンは苦手だけど大好きです。

はるのゆき