【あらすじと感想】痴人の愛
一つ前の記事に、谷崎潤一郎さんの『痴人の愛』を読んで雑記を書きました。
今回は『痴人の愛』の、あらすじと感想です。
- あらすじ
カフェーの女給から見出した15歳のナオミを育て、いずれは自分の妻にしようと思った真面目な男が、次第に少女にとりつかれ破滅するまでを描く物語。小悪魔的な女の奔放な行動を描いた代表作で、「ナオミズム」という言葉を生み出した。
- 本の感想
谷崎潤一郎って、もっと堅苦しい作品を書く方だと思っていました。
『細雪』なんて、まさに純文学!という雰囲気で、小難しい言葉が沢山出てきそうですし。(ごめんなさい、細雪は内容を全く知らないもので(;'∀')ただのイメージです。)
この本を読んで感じました。谷崎潤一郎、Mっ気のある、足フェチの、ただのおじさんだな、と。
“ただのおじさん”って、悪い意味ではありません。親しみを感じたということです。
現代の私たちにとって、文豪って何だか敷居が高いじゃないですか。教科書に出てくる、小難しい本を書く人であり、私たちの生活とはかけ離れた場所にいる人という印象。
でもこの『痴人の愛』から感じるのは、谷崎潤一郎の人間らしさ。
あ〜、私たちと同じ感性で生きた、等身大の男性なんだなぁ、ということ。
文豪の小説って手が出しづらいな、と思っている方にこそ、ぜひ読んでほしいです!
女性読者の場合、なんか気持ち悪いおじさんだな譲治…と感じる部分もあるかもしれませんが、その中にもきっとどこか「分かる分かる」と共感できる部分があるはず。
あなたの身の周りにもきっと、譲治さん(仮)やナオミちゃん(仮)が存在すると思います。
いつの時代にも、どんな国にも存在するであろうナオミズム。谷崎目線で翻弄されてみませんか?
- こんな方におすすめ
→そのイメージきっと覆ります!
⭐︎異性に翻弄される人の気持ちが分からん
→分かりたくなるほど心理描写が緻密です
⭐︎非日常な恋愛を体験したい
→この本ならできるかも?
はるのゆき