はるの本棚

口下手な私の人生と推し本について。

【場面緘黙症】質問されて一番困ること

ご訪問ありがとうございます

今回は読書のお話をお休みして、場面緘黙症について綴ろうと思います。

 

場面緘黙症だった私が、質問されて一番困ったことについて。

 

f:id:haruharu2021:20220531131709j:image

 

何で喋らないの?

場面緘黙症だった頃、学校の先生やクラスメイトに色々なことを聞かれました。

大丈夫?

きついの?

「あ」って言ってみたら?

手話を習ったら?

…etc.

 

中でも、必ずといっていいほど聞かれる質問がありました。それは何で喋らないの?というもの。

 

そりゃあ不思議ですよね。

耳が聞こえて、言葉の理解もできて、毎日普通に登下校して、“喋る”以外に問題が無さそうな子。そんな子が、どうして喋れないのか?理由を知りたくなる気持ちはとても分かります。

しかし、当時の私はこの質問をされるのが、とーーーーっても苦痛でした。

 

 

分からないから苦しい

 喋れない理由?

恥ずかしいから
声が出ないから
話したくないから
怖いから

 

どれも正解なようで、何だかしっくりこないのです。

 

あなたと話したいんだよ 
でもどうして話せないのか
自分でもよくわからないんだ
 

当時の私は、クラスメイトと仲良くなりたい、話したいという気持ちは十分に持っていました。クラスメイトに話しかけられたら、頭の中ではしっかり返事をしていました。

それなのに声が出ない。

 

その状況を水鉄砲に喩えてみましょう。

水鉄砲のタンクの水(頭の中の言葉)が満タンではち切れそうなのに、引き金(口から出る言葉)が壊れて発射できないような状態です。

発射できないのに中の水(頭の中の言葉)がどんどん増えていき、水圧に耐えきれず壊れる寸前!といった感じ。

 

頭の中で、話したい言葉がぐるぐるぐるぐる…渦巻いて、それなのに話せない自分に心底嫌気がさして、そんな自分と向き合うのが怖くて、ひたすら俯きバリアを張って生きていました。
 

 

喋れなかった理由の一つ

喋れなかった心境の一つとして、もし今声を出したら「ゆきちゃんがしゃべった!!」と皆に騒がれるのではという恐怖がありました。
 

人の視線、注目されることに、極度な不安があったのだと思います。
 

声を出すこと自体よりも、それによるによる周囲の反応が怖い。そうしてどんどん話せなくなる悪循環。『ゆきちゃんは話さない子だ』というイメージを18年間壊すことができませんでした

 

 

環境を変えるのは逃げではない

そんな私が場面緘黙症を克服したきっかけは、県外の大学に進学したことです。

私が場面緘黙症であることを誰も知らない環境に身を投じることで、真っ新な状態からのスタートを切ることができました。

 

環境が変わっても、自分の本来の特性が変わるわけではありません。対人緊張の強さは大学生になっても、今でもずっと持ち続けています。

それによる苦労は、場面緘黙症だった当時も今も変わらずあります。

 

それでも、大学進学がなければ、“声を出す”ことのキッカケを掴めなかったと思います。

 

環境を変えるのは逃げではありません。

自分に合った環境を取捨選択していくのが、特性の強い私のような人間には特に必要だなと思います。

 

 

今置かれている環境に苦しさを感じている方。

自分のせいにしすぎず、環境を変えてみるのも良い手段なのではないでしょうか。

 

はるのゆき